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ライブドアプレゼン資料から学ぶ

メールマガジン「実践的!!プレゼンテーションの『コツ』講座 No.020号、No.021号、No.022号」でライブドアの新球団構想プレゼンに対する
”押しかけコンサルティング”を実施しました。

2004年9月〜10月にかけて話題のテーマでもあり、読者の皆さんから好評でしたので、転記いたします。

メールマガジンNo.20号より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ■ライブドア 新球団構想プレゼン資料から学ぶ■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回は、No.20号記念ということではないのですが、少し内容を変更させてい
ただきます。ライブドアの「プロ野球 新球団構想 プレゼン資料」に対する

          ”押しかけコンサルティング”

です。
メルマガ読者の皆様にとっても、今、話題のライブドア(成功企業)が作るプレ
ゼンとはどんなものか?今、話題のプロ野球球団の新球団構想とはどんなもの
か?そこから何か学べるものはないのか、と興味はつきないと思います。

そこで、私が一つずつ、
 「こういうところを学んだ方がいいですよ!!」
 「こういうところは改善した方がいいですよ!!」
と押しかけコンサルティングしちゃいます。

人のフリ見て我がフリ直せ、じゃないですが、他人のプレゼンも大変、参考に
なるものです。ぜひ、ご覧ください。
まずは、皆さんもライブドアが発表した「新球団構想計画骨子」をダウンロー
ドして、ご覧ください。
http://finance.livedoor.com/disclose/tmp/28130030_20040819.pdf

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.プレゼン資料準備の『コツ』 ・・・実際のプレゼン資料から学ぼう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●このプレゼン資料は、8/19に新球団構想計画としてマスコミに向けて発表さ
れたものです。コンサルティングを開始する前に、このプレゼン資料の目的を
明確にしないと適切なアドバイスもできません。
正確なところは当事者しか分かりませんので、ここでは、目的を以下のように
仮定します。

 [目的]
  ライブドアが新球団を設立するにあたり、日本プロ野球組織に対して
  計画内容を提示し、方向性の理解を求める。

以上を目的と仮定して、コンサルティングを行います。

───────────────────────────────────
            <新球団構想計画骨子>
───────────────────────────────────
●Page1 「新球団設立にあたって」
 ここでは、新球団設立を目指すことに対して、社長名でライブドアの思いを
 端的に表現しています。控え目でありながら、プロ野球を通じて社会貢献し
 たい、プロ野球の発展を願っている、などプロ野球が社会の公器であり、
 それを支えていきたいという思いが伝わります。

⇒皆さんも同じようにプレゼン資料の最初のページで何を伝えるべきかを1枚
 で表現することが大切です。忙しい役員などは、最初の1ページだけでその
 プレゼン資料を読むかどうか判断するからです。
 1ページ目で興味をもってもらえるかどうか、ここがポイントです。
 ただし、これだけの長文を書くというのは、ライブドアが、このプレゼン資
 料を”人が読む”ことを前提としているからです。

 人前でプレゼンテーション(=デリバリ)を実施する場合、このPage1のような
 長文の処理は逆に難しくなります。「当社は、6月29日以来大阪近鉄バッ
 ファローズを・・・」などと読み上げるのもおかしなものです。
 ここを勘違いしないでくださいね。もし、単純にデリバリだけなら、箇条書
 きにすべきです。(このあたりの詳細は、メルマガNo.16に記載しました。)

●Page2 「新球団の概要」
 ここでは、新球団を設立するにあたり整理すべき必須項目を表現しています。
 これが必須項目であると分かるのは、ライブドアだけでなく、楽天も同じ項
 目を記載しているからです。
 http://www.rakuten.co.jp/info/release/2004/0924.html

 Page1で思いを表現し、Page2でプロ野球機構が知りたがる最低限必要な項目
 を表明しています。
 これにより、まずは安心を得るという狙いだと思われます。
 なかなかツボを押さえています。

⇒プレゼンにおける説明の順番は、自分で自由に決められます。正解はありま
 せん。しかし、このように、できるだけ早い段階で、聞き手が知りたがって
 いる項目を先に表明し、「信頼を得る」、「安心を得る」というのは学ぶべ
 き点です。なぜなら、ここで信頼を得ることができれば、次ページ以降の独
 自の考えもすんなりと受け入れてもらえるからです。逆に聞き手が知りたが
 っている項目を最後に持ってきた場合、「早く教えろ」と怒らせる原因にな
 るかもしれないからです。
 そのため、今回のような目的をもった資料の場合、先に必須項目を表明した
 方がよいのです。

●Page3 「新球団の経営方針」
 ここからがいよいよライブドアとしての独自の考えの表明ですね。ここでも
 プレゼンのポイントが押さえてあります。つまり、方針が3つ+αに整理さ
 れています。4つとしていないところがポイントですね。3つ+1つなんで
 す。基本方針としては3つである。これに+αとして方針を1つ付け加えて
 る、というところがうまいですね。

 また、色使いも青・赤・緑+グレーとツボを押さえています。(私ならグレー
 じゃなくて茶系にしますが)

⇒皆さんも同じように方針などをいくつも出すより、せいぜい3つ程度に絞り
 込んだ方がよいです。「方針は10個あります。」などと言っても誰も覚えて
 くれませんからね。

以上が、「新球団構想計画骨子」の本文です。
しかし、これだと全然、物足りないですね。
そこで、ライブドアは、7月にマスコミに配布した資料を添付しています。
続けて、こちらを見てみましょう。

───────────────────────────────────
       <大阪発・新しい球団経営に関するご提案書>
───────────────────────────────────
こちらの資料は、より具体的な解決策が明記されており、先の資料のPage3の
内容がもう少し詳細に記載されています。

●Page1 「0.目次」
 ここは、目次というより、この資料で伝えたいことの概要が整理されていま
 す。要するに、
  ・ライブドアは、3つの新しい施策を実施します。
  ・ライブドアはバッファローズを買収するにあたり潤沢な資金があります。
 という表明です。ここでも一つ一つの項目に対して、文字だけでなく、図で
 表現されており、分かりやすいですね。この1ページで全てを表しています。

⇒「目次」と言われると違和感を感じますが、要するにこの資料に書かれてい
 るポイントを整理している点は学ぶべきですね。最後まで読まないと全体が
 分からないのではなく、1ページ目で全体を俯瞰させているのです。

●Page2〜4 「球団運営の方向性」
 内容は、ともかく、何を実施するのかが図で表現されているので分かりやす
 いです。また、単に図を書くだけでなく、2行程度の説明があるのがいいで
 すね。ここでも資料が一人歩きすることを、想定しているのだと思います。

⇒繰り返しになりますが、単にプレゼンテーション(=デリバリ)だけなら、こ
 の2行は不要です。しかし、人に配布されることを想定するなら、この図は、
 何を意味するのかを明確に記載するのが親切ですし、誤解を与えないのです。

●Page5 「球団運営企業としてのライブドアグループ」
 ここでも項目が3つに絞り込まれていて、わかりやすいです。また、時価総
 額が比較表になっているため、一目瞭然ですね。ちなみに、時価総額が最も
 高い2つの企業の球団が合併するのは不思議ですね。

⇒プレゼン資料の場合、クドクドと言葉で説明するより、このように図や表で
 表現した方が、ベストです。

●全体
 全体を通じて、体裁面で良くご覧いただきたいのが、テンプレートと色使い
 です。テンプレートについては、背景は白、また、タイトルと本文の境界線
 をブラックの実線で引いただけで、実にシンプルなものです。
 何らデザインに凝っていない。ビジネスで使うわけですから、私もこれで十
 分だと思うのです。
 また、色使いも青・赤・緑を基本とするなど、ツボを押さえています。
 さらにもう一つ、フォントも単なるゴシックではなく、さらに文字が太いフ
 ォントを使用しており、力強さを感じますね。

●今一度今回のライブドアプレゼン資料から学ぶべき点を整理します。
 1.1ページ目で全体の概要を説明し、読み手を引き込む。
 2.読み手を意識して、読み手が気にする点を先に説明する。
 3.資料を配布することを想定した場合、説明文を記載する。
 4.1ページで記載する項目は3つ程度に絞り込む。
 5.文字で長々と説明するのではなく、図や表で表現する。
 6.テンプレートはシンプルに、色使いは、青・赤・緑を中心とする。
 7.フォントは、ゴシックなど太いものを用いる。

●以上、ライブドアプレゼン資料から学ぶべきポイントを整理しました。
皆さんも自分のプレゼン資料作成の際に参考にしていただければと思います。

               しかし!!

このプレゼン資料に問題点がない訳ではありません。
次号では、続けて、このプレゼン資料の改善点をご説明いたします。




メールマガジンNo.21号より
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    ■ライブドア 新球団構想プレゼン資料から学ぶ(2)■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回は、前回のNo.20号のメルマガに続き、ライブドアの「プロ野球 新球団
構想プレゼン資料」に対する

          ”押しかけコンサルティング”

です。前回は、「こういうところを学んだ方がいいですよ!!」について解説
しました。今回は、主に「改善点」の解説です。

前回、ダウンロードされていない方は、ライブドアが発表した「新球団構想計
画骨子」をダウンロードして、ご覧ください。
http://finance.livedoor.com/disclose/tmp/28130030_20040819.pdf

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1.プレゼン資料準備の『コツ』 ・・・実際のプレゼン資料から学ぼう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●このプレゼン資料は、8/19に新球団構想計画としてマスコミに向けて発表さ
れたものです。コンサルティングを開始する前に、このプレゼン資料の目的を
明確にしないと適切なアドバイスもできません。
正確なところは当事者しか分かりませんので、ここでは、目的を以下のように
仮定します。

 [目的]
  ライブドアが新球団を設立するにあたり、日本プロ野球組織に対して
  計画内容を提示し、方向性の理解を求める。

以上を目的と仮定して、コンサルティングを行います。

───────────────────────────────────
            <新球団構想計画骨子>
───────────────────────────────────
●全体
 まず、資料全体を通して残念なのが「泣けない」という点です。泣けない、
 というのは、感情を揺さぶるようなメッセージに乏しい、ということです。
 私たちは人間なので、大なり小なり常に自分の損得勘定をしたり、好き嫌い
 で行動するかどうか判断するものです。しかし、気持ちを揺さぶられるよう
 な熱いメッセージに触れると損得や好き嫌いは抜きにしてその事業や人なり
 に貢献したくなるものです。

 そのため、プレゼン資料全体から湧き上がる「熱いメッセージ」が欲しいの
 です。では、なぜ、熱いメッセージが盛り込まれていないか?その原因は、
 やはり、「ビジョン」が明確でないからだと思います。ビジョンが明確であ
 れば、伝えるべきメッセージも自ずと絞り込まれるのです。

 プロ野球球団を作るような多数の人間が何かを成し遂げる場合、ビジョンは
 とても大切です。最終的な方向性を共有しないとパワーが集中できないから
 です。
 あ、すいません。ライブドアのプレゼン資料からビジョンを感じるとること
 はできるのです。しかし、”明確に”書かれていないのが残念です。明確に
 書いて周知徹底させた方がよいのです。
 
 では、ライブドアのプレゼン資料から感じ取れるビジョンとは?
 それは、「市民球団の実現」では、ないかと思います。今までのプロ野球球
 団にはない真の意味での「市民球団」を作る、ということをビジョンにすれ
 ばよいのにと思いました。
 
⇒プレゼン資料を作成する前に明確にすべきなのは、ビジョンです。つまり最
 終的な目標です。これを明確にして、これを論理の背骨にすえ、そこに血肉
 をつけるようなロジックにした方がよいです。
 ビジョンを明確にすることで「熱いメッセージ」も浮かんできます。
 例えば、市民球団の実現を標榜するなら、
  「真・市民球団宣言!!」
  「新生!!みちのく市民チーム100年構想」
 などです。どうですか?だめ?(^^;)

●表紙 「新球団構想計画骨子」
 タイトルが固いですよね。面白みがない。ワクワクしないですよね。いや、
 プロ野球機構という古臭い組織を前にして敢えて固くしているのかもしれま
 せん。それならしょうがないですね。
 しかし、一般的には、もっと胸が躍るキャッチコピーが欲しいところです。
 例えば、先ほどの熱いメッセージをタイトルにしちゃいます。
  「真・市民球団宣言(新球団構想計画骨子)」
  「新生!!みちのく市民チーム100年構想(新球団構想計画骨子)」
 前者は漢字ばかりで固いですね。なので後者の方がいいかもしれないです。

⇒皆さんは、表紙には、キャッチコピーを忘れずに入れてください。一言でビ
 ジョンを表す的確なキャッチコピーです。このキャッチコピーでその後を読
 んでもらえるかどうか、決まるのです。
 皆さんだってそうですよね?本屋に行って、どの本を買うかどうかは、まず
 タイトルで決めますよね?それと同じです。思わず読んでみたくなるような
 タイトルをつけたいのです。

●Page1 「新球団設立にあたって」
 ここは、特に問題ないのですが、ビジョンを明確にした場合、書く内容も当
 然、変わってくるはずです。

⇒Page1には、ライブドアのように決意表明を記載したり、資料の全体を説明
 したりするかと思います。その場合、最初に全てを書くのではなく、最初は
 箇条書き程度で「こんなことを書こう」ぐらいにとどめておきます。それで
 資料が大方できた時(最後に)に作成すると、上手に書けます。

●Page1.5 「ビジョンの実現イメージ」
 ライブドアのプレゼン資料には、Page1.5は存在しないのですが、本当であ
 ればビジョンのイメージ図を描きたいものです。例えば、真の市民球団を実
 現した際の10年後のイメージです。
 そこには、プロ野球と市民が深く係わり合い、互いに幸せな暮らしを営んで
 いるようなイメージ図があればベストです。

⇒はっきり言えば、Page1の表明は、ちゃんと読んでくれる人は少ないです。
 それよりも視覚的に人に訴えた方がインパクトが強いのです。なので、表紙
 のキャッチコピーで読み手の心を掴み、このPage1.5で将来像を見せて、更
 に共感を得るぐらいにすべきです。たった2枚ですべてを語るのです!!

●Page2 「新球団の概要」
 特に問題ないので、割愛します。

●Page3 「新球団の経営方針」
 ここは、経営方針というより、具体的な施策の表明ですが、このような施策
 を抽出する方法としては、以下の2つのアプローチがあります。
  ・トップダウン
  ・ボトムアップ
 です。ライブドアのアプローチは典型的な「トップダウン」ですね。つまり、
 あまり現状の球界状況などを調査せずに、実現したいことを中心に施策が抽
 出されています。どうしても現場で考えられた施策というより、机上で考え
 られた施策と見えてしまいます。
 #違ったら申し訳ありません。m(_ _)m 想像です。

 というのもプレゼン資料を見る限り、現状の問題は何で、その問題を解決す
 るために3つの施策を実行するのだという論理的なつながりが見えないから
 です。なぜ、この3つの施策なのか?が分からないのです。ここがトップダ
 ウンアプローチの問題点ともいえます。しかし、現状の問題点などあまり注
 力せず、やりたいことを表明できるのが、トップダウンの良い点です。

 一方、ボトムアップアプローチの場合、現状の問題点の調査から入ります。
 時には、コンサルティング会社に依頼したりします。そのため、最適解を求
 めようとすると莫大な時間と費用がかかることがあります。
 
 では、どちらが正しいアプローチなのでしょうか?
 それは、わかりません。トップダウンの場合は、現状と乖離してしまう危険
 がありますし、ボトムアップの場合、逆に現状に引きずられて大胆な施策が
 実施できない可能性もあります。正しいかどうかは、結果的に成功するかど
 うかといえます。
 
 しかし、基本は、ボトムアップです。現状の問題点を抽出し、その問題点か
 ら真の原因をつきとめ、その問題点を解決手段を抽出し、目指すべき目的や
 目標を達成するのです。
 
⇒施策の抽出のためには、調査にどれだけの時間を掛けることができるのか?
 にも掛かっています。例えば、3日で作成しなければならない場合、トップ
 ダウンでアプローチするしかありません。一方、半年間時間があるなら、ボ
 トムアップでじっくり現状調査が可能です。ライブドアの場合も短期間で作
 成した、とニュースで放映されていましたので、トップダウンで施策を抽出
 したと想像します。

●以上が、「新球団構想計画骨子」の本文です。
 長くなりすぎたので、続きは次回にいたします。m(_ _)m
 
 最後に、今回のライブドアプレゼン資料から学ぶべき点を整理します。
 1.プレゼン資料作成時には「ビジョン」を明確にし、イメージ図を描く。
 2.「ビジョン」から導きだされるキャッチコピーをタイトルにする。
 3.「はじめに」などは最初からすべて書くのではなく、最後に書く。
 4.施策の抽出の基本はボトムアップである。しかし、短時間で完成させ
   なければならない場合、トップダウンで作成するしかない。




メールマガジンNo.22号より
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    ■ライブドア 新球団構想プレゼン資料から学ぶ(3)■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今回は、前回のNo.21号、前々回のNo.20号に続き、ライブドアの「プロ野球新
球団構想プレゼン資料」に対する

          ”押しかけコンサルティング”

です。前回は「こういうところは改善して方がいいですよ!!」
について解説しました。今回も引き続き改善点を見ていきます。

まだ、ライブドアが発表した「新球団構想計画骨子」をダウンロードしていな
い方は、以下をご覧ください。
http://finance.livedoor.com/disclose/tmp/28130030_20040819.pdf

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1.プレゼン資料準備の『コツ』 ・・・実際のプレゼン資料から学ぼう
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●このプレゼン資料は、8/19に新球団構想計画としてマスコミに向けて発表さ
れたものです。コンサルティングを開始する前に、このプレゼン資料の目的を
明確にしないと適切なアドバイスもできません。
正確なところは当事者しか分かりませんので、ここでは、目的を以下のように
仮定します。

 [目的]
  ライブドアが新球団を設立するにあたり、日本プロ野球組織に対して
  計画内容を提示し、方向性の理解を求める。

以上を目的と仮定して、コンサルティングを行います。

───────────────────────────────────
          <新球団構想計画骨子 別添資料>
───────────────────────────────────
●球団運営の3つの柱
まずは、別添資料をご覧ください。別添資料は、「新球団構想計画骨子」より
先に作成されたものです。そのため、「〜骨子」の経営方針で記載されたもの
と同じ3つの柱がより詳しく記載されています。
 1. 市民球団運営
 2. IT活用
 3. 成功事例導入

「1. 市民球団運営」は、球団の株式を発行し、市民に購入してもらったり、
選手にストックオプションを付与するなど「稼ぐが勝ち」、まさにライブドア
らしい施策ですね。それで、株式上場の際、市民は、金持ちになる(株価が上
がればの話ですが)というシナリオです。確かに魅力的ですね。(^^;)
「2.IT活用」は、顧客データベース、インターネット(ブログ)の活用など、
IT企業の特徴を活かした施策ですね。
「3.成功事例導入」もユニークですね。プロ野球をはじめ他のスポーツの成
功事例を積極的に導入します。
という内容です。

こういう施策を企画するのってワクワクして楽しいですね。自分たちのやりた
いことを抽出し、議論し、方向性を決定していくのです。一方、ライブドアの
ライバル企業、楽天はまた違った施策を出しています。
http://www.rakuten.co.jp/info/release/2004/0924.html
このように施策というのは会社によってバラバラなのです。10の会社があれば
10の異なる施策になるはずです。どれが正解ということでもありません。それ
より、これらの施策を実行し、成功させることができるかどうか、が問題なの
です。

では、話を戻してプレゼン資料作成という観点からここから何を学べるのか?
ですが、それは、その企画した施策は、その会社や事業の方針や目的に合致し
ているのか?という点です。ここがポイントです。簡単な話です。
つまり、施策を沢山、抽出するのはよいですが、その施策は背骨である方針や
目的に合致しているのか?ということなのです。

それで、ライブドアのプレゼン資料の問題点は、この方針をどこにおいている
のが曖昧に見える点です。背骨を自らぼやかしてしまっているのです。よいで
しょうか?再度、確認すると、このプレゼン資料の背骨は、
 ・市民球団を作ること
のはずです。では、先の3つの施策は「市民球団を作ること」にしっかりつな
がっているのか?ということを確認してみましょう。

●1.市民球団運営
タイトルからするとそのまま「市民球団を作ること」につながりそうですが、
内容を見ると、株式の発行を中心とした内容にとどまっています。これも一つ
の施策ですが、市民球団運営というならもっと他にも施策があるのでは?とも
思ってしまいます。
例えば、
 ・地元の商店街との連携
 ・地元企業との連携
 ・子供達との連携
などです。株式発行というだけでなく、”人と人がつながる”ような施策を掲
げる方が、より市民球団運営に近いと私は、思います。

●2. IT活用
インターネットと顧客データベースを活用は、IT企業の特徴を活かした施策で
すよね。内容を見ると、地元の人を意識したものというより、全国を意識した
施策に見えます。これはこれで重要な施策ですが、市民球団を作るなら、もっ
と他にあるのでは?と思ってしまいます。
例えば、
 ・CATVを通じた試合中継
 ・地元商店街、地元企業の広告配信
などです。全国のファンの取り込みも大切です。しかし、地元のファンに対す
る施策を盛り込まないと先の方針や目的とずれがでてしまうのです。

●3. 成功事例導入
これに関しては、良いですね。中でも「勝ったら企画」「サポーターズ・クラ
ブ」などは、地元のファンとの連携を意識したものです。ただ、「スタジアム
通貨」だけが若干、ずれています。市民球団を作るなら、
 ・スタジアム通貨を地元の商店街でも使用できる
などの施策を盛り込めばベストですね。そういう意味でタイトルがよくないの
ですね。
「地域住民を巻き込む成功事例の導入」※工夫がないですが...(^^;)
といったタイトルにした方がより明確ですね。

⇒このように、施策を抽出する場合は、背骨と一致しているかどうかを意識し
 ないといけないのです。そうでないと視点がぼやけてしまうからです。商品
 販売、事業戦略など、様々なテーマでプレゼン資料を作成されていると思い
 ますが、方針や目的と施策とのつながりを意識するようにしてください。

●全体(論理展開)
別添資料だけでなく、再び「新球団構想計画骨子」を含めた全体の話になりま
す。もう一つ改善すべき点としては、前号からの繰り返しになりますが「なぜ、
市民球団なのか?」という論理展開に説得力が乏しい点です。

「新球団構想計画骨子」での論理展開は、以下です。
 1.目的:市民球団を作る
 2.施策:3つの施策を成功させる

一見、悪くなさそうです。しかし、できれば「なぜ市民球団を作る必要がある
のか?」が欲しくなります。例えば、
 1.目的:市民球団を作る
★2.背景:市場、ニーズがある、あるいは、課題がある
 3.施策:3つの施策を成功させる

上記の★印が欲しいのです。敢えて外しているのかも知れませんが...
しかし、一般的にプレゼン資料を作成する上では、「なぜ、これが必要なの?」
に対する回答を明確に表現した方が説得力が増します。
 1.目的:新商品販売、売上10%増
 2.施策:3つの施策で実現します
というより、
 1.目的:新商品販売、売上10%増
★2.背景:市場、ニーズがある
 2.施策:3つの施策で実現します
というように★を加えた方がより、説得力があります。前者の場合、どうして
も「裏づけは?」と逆に問いただしてしまいます。

⇒プレゼン資料を作成する場合、裏づけを曖昧にせず明確に表現する方が王道
 です。そうでないと「なぜ?」という疑問が払拭されません。そこで明確な
 ニーズや課題があるから、このような施策を実施するのです。という論理展
 開にもって行った方がよいのです。

●以上が、今回の改善点です。
 最後に、今回のライブドアプレゼン資料から学ぶべき点を整理します。
 1.施策を抽出する場合、方針や目的などの背骨とつながることを意識する。
 2.目的や施策を実施する裏づけを明確にする。

 

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