米国は、プレゼンテーションの見せ方も進んでいました。いやー、びっくりです。
プレゼンテーションのサイトを公開していると、プレゼン関係の『製品レビュー』の依頼がチラホラあります。
今回は、そんな中、MPEG4のリーディングカンパニーとして有名なエンビビオ社(http://www.envivio.com)から依頼がありました。
訪問したのは、渋谷のセルリアンタワー15Fです。
世界的に有名なエンビビオ社の訪問ということもあり、少し緊張しました。
しかし、日本支社長:佐藤さんは、とても気さくな方で、住所も近いということもあり、話は盛り上がりました。(^_^;)
さっそく、本題の『4 ForumLite』のデモを見せていただきました。
具体的にこの製品で何ができるのか?というと、
”プレゼンとパワーポイントの映像(MPEG4)を同時に遠隔地に配信する”
というものです。(※配信は、ライブ、オンデマンドの両方が可能)
単純に映像だけを遠隔配信するなら、巷の英会話教室でもやってますが、プレゼンの映像とパワーポイントの映像を同時配信しているのは、そんなに多くないはずです。
『4 ForumLite』の前面
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少し小さ目の小型デスクトップパソコンぐらいの大きさ。実際、中身はパソコンだそうで、これに画像処理用の拡張ボードが装備されているそうです。 |
実際のデモでは、
・ある特殊な手術映像のプレゼン
・社内教育用のプレゼン など
を見せていただきました。
ハードディスクのコンテンツのアイコンをダブルクリックし、該当するコンテンツが立ち上がると、プレゼンターの動画とパワーポイントの両方がブラウザ上に表示され、プレゼンターの動画と進み具合と同時にパワーポイントの画面が遷移していくのです。
しかもパワーポイントのタイトルが左下のメニューに表示されタイトルをクリックするとその章から動画とパワーポイントが開始されるのです!!以下が、その画面イメージです。
画面左上にプレゼンターの動画が表示され、その下にパワーポイントのタイトルが表示されます。また、画面右上には、パワーポイントのスライドが表示されます。この配置は、固定という訳ではなく、自由に変更可能でした。なので、固定画面の表示というより、3つのWindowが表示されているイメージです。
米国では、都市も離れているため、このような形でプレゼンテーションを遠隔配信するのが一般的になりつつあるとのことです。
んー、米国は進んでますね。(^^;) 私が知らないだけ???
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でも、プレゼンの映像を配信するだけなら、日本でもいくつか同じことをしている会社があるぞ!!
という反論が聞こえてきそうです。
例えば、ソフトバンクやトヨタ自動車、ソニーでも公開しています。
また、Microsoftから「Producer2003」というソフトが無料で提供されています。
●ソフトバンク |
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平成17年3月期第3四半期決算説明会
ソフトバンク株式会社 代表取締役社長 孫 正義
上映時間:約1時間45分 |
●トヨタ自動車 |
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トヨタ自動車株式会社
インフォメーション・ミーティング
トヨタ自動車株式会社
代表取締役社長 張 富士夫
代表取締役副社長 荒木 隆司
代表取締役副社長 齋藤 明彦
プレゼンテーション:約38分
質疑応答:約36分 |
●ソニー |
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2004年度 第3四半期 業績説明会
開催日: 2005.01.27 [木] 17:20-
説明者: 執行役 副社長 兼 グループCSO&CFO
井原 勝美
執行役 常務(財務・IR担当) 湯原 隆男
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●マイクロソフト |
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マイクロソフトのProducer2003を使用した各社サンプルが見れます。
・株式会社 J ストリーム
・ポニーキャニオン 株式会社
・株式会社アルク
・新生銀行
・古河電気工業株式会社
・日本ビジネスオブジェクツ株式会社
・MicroVideo Learning Systems
・Streaming Media Communications |
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ソフトバンクは、マイクロソフトは、映像とプレゼン資料が連動して表示され、一番、凝ってますね。
一方、トヨタとソニーは、プレゼン資料と音声のみで、実際のプレゼンターの表情(映像)が見えません。
エンビビオの『4 ForumLite』は、このうちのソフトバンクとマイクロソフトのものに近い表示を実現していました。
しかし、ソフトバンクとは異なり、以下の特徴がありました。
1. |
パワーポイントに限らず、パソコンで操作する全ての操作(WordやExcel等も表示可能)を録画できる。 |
2. |
コンテンツを見る人は、ブラウザからプレゼン資料や映像を自由に拡大・縮小ができる。 |
3. |
コンテンツ作成をプレゼンが終了と同時に作成できる。 |
という点です。
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3つの特徴について、もう少し詳しく解説します。
●1. |
パワーポイントに限らずパソコンで操作する全ての操作(WordやExcel等も表示可能)を録画できる。
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前述のソフトバンクやトヨタ、ソニーの3社は、基本的にパワーポイントを表示していました。
しかし、私も実際にプレゼンをする場合、Excelの表やグラフを見せたり、Wordファイルを見せたり、PDFファイルを見せたり、映像を見せたり、いろいろなコンテンツを切り替えて表示することがあります。
そんな各種、アプリケーションの操作もエンビビオの製品は、”すべて録画し”配信することができていました。
なぜ、そんなことが可能なのかというと、システム構成に「鍵」があるようです。
パワーポイントを操作するパソコンとプレゼンターの映像を撮影するデジタルビデオを『4 ForumLite』に接続し、『4
ForumLite』が同期を取りながらデータを蓄積しているらしいのです。
ですので、パワーポイントだけでなく、パソコン上で操作するすべてのアプリケーションソフトの表示を蓄積できるようです。
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●2. |
コンテンツを見る人は、ブラウザからプレゼン資料や映像を自由に拡大・縮小ができる。
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もう一つすごかったのが、ブラウザで表示しているプレゼン資料やプレゼンターの映像を自由に拡大・縮小できる点でした。
上記の3社の場合、固定サイズの映像だけでしたが、エンビビオの製品の場合、映像のみ拡大・縮小したりプレゼン資料のみ拡大・縮小したりすることができました。
また、画面左下に表示されているパワーポイントのタイトルをクリックすることでビデオの再生を開始することもできました。
要するに、固定画面を見るのではなく、通常のWindow画面と同じ感覚で要望するコンテンツ画面を拡大・縮小、再生など、自由自在に操作することができました。
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●3. |
コンテンツ作成をプレゼンが終了と同時に作成できる。
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3つ目に、とても便利に思ったのがコンテンツ作成にかかわる労力です。
上記の3社のコンテンツを作成する場合、多分、かなり労力がいるのでは?と思います。
動画編集にどれくらいの費用と労力がかかるか詳しくしりませんが、インターネットで調べると、少なくても10分程度のコンテンツで30万〜以上はしています。それぐらい労力が必要ということでしょう。
しかし、エンビビオの場合、プレゼンが終了すると同時に動画コンテンツの作成が完了します。
厳密には、最後にエンコードという作業があるのですが、ただ、別の会社に動画編集の依頼をだす必要がないのです。
これは大きなメリットだと思います。
なぜなら、株式公開している会社がIR用に決算報告のための動画コンテンツを配信をしたいと思ってもその動画コンテンツの作成に毎回、30万もかかると馬鹿にならないからです。
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Q1.この製品の応用例を教えてください。 |
A1.
主に以下の使用を想定しています。
応用例としては、
・株主総会
・年頭訓示
・eラーニング(PCやネットワークを使った学習)
・遠隔診断
・遠隔授業
などです。
つまり、時間や空間を越えて映像とプレゼン資料を同時に配信することができるのです。 |
Q2.競合他社はどこになるのですか? |
A1.
まだ、日本国内にはないですね。エンビビオはMPEG4の業界標準と言ってもいい会社ですし、弊社以上にMPEG4について詳しい企業は世界を見ても多くないと思います。
このシステムもMPEG4の特徴を最大限活かしており、そう簡単に追随はできないと自負しています。 |
Q3.導入実績は、どれくらいありますか? |
A1.
米国では、金融大手の『Citigroup』を代表として100社に導入しています。
その他にはNYのコーネル大学や、米Cisco社などが導入しています。
日本では、数社に導入実績があります。
主な用途は、社内セミナーなどです。 |
Q4.価格は、どれくらいでしょうか? |
A1.
『4 ForumLite』という最小構成で約200万円です。
これにクライアントのプラグインのライセンス料金が$2〜$10/台が必要です。
ただ、価格とシステム構成は企業様の使用状況にもよりますので、要相談に応じています。 |
プレゼンの基本は、やはりFace to Faceだと思っています。
プレゼンの聞き手は、単に資料をみているのではなく、プレゼンターの『表情』や『声』も重要な情報源なんですよね。
資料は立派でもプレゼンターが自信なさそうな表情で声も小さいと「大丈夫か?」と思ったりしますし。
なので、例え、インターネットを経由した場合でも表情や声を提供するのは必須だと思います。
そのため、この『4 ForumLite』ならネット経由でも見ても違和感がないと思いました。
ブロードバンドが普及し、WindowsMediaPlayerやRealPlayerが普及しているので、日本でもプレゼンの見せ方も近い将来、必ずこうなる、という姿だと思います。
『4 ForumLite』についてのお問い合わせは、エンビビオ社(http://www.envivio.com)へ直接、お問い合わせください。
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